伊藤元重総合研究開発機構理事長 木内登英野村證券株式会社金融経済研究所経済調査部長兼チーフエコノミスト 武者陵司ドイツ証券株式会社副会長兼チーフ・インベストメント・アドバイザー 水野和夫三菱UFJ証券株式会社チーフエコノミスト 平井照水総合研究開発機構リサーチフェロー 政策レビューNo.31 2008.10国際金融危機と世界経済概要 戦後最大の金融ショックの中で、今後の世界経済の先行き不透明感が強い。将来見通しについては、3つの異なった問題が混在している。第1に、これから1年程度の間にさらに大きな金融ショックが起こるかどうか。第2に、世界経済が本格的な不況に陥るかどうか。第3に、より長期に世界は高い成長のトレンドに戻るのかという点だ。これからの世界経済の行方について、議論する。 全文を読む ■問題提起 国際金融危機と世界経済 伊藤元重 総合研究開発機構理事長 ■視点・論点 1.長期化する世界の金融不安 木内登英 野村證券株式会社金融経済研究所経済調査部長兼チーフエコノミスト 2.金融危機からの生還の可能性 武者陵司 ドイツ証券株式会社副会長兼チーフ・インベストメント・アドバイザー ■論点の背景 サブプライムローン問題後の世界経済について 水野和夫 三菱UFJ証券株式会社チーフエコノミスト ■政策研究の最前線 市民社会のグローバルな連携と日本 平井照水 総合研究開発機構リサーチフェロー 伊藤元重(いとう もとしげ) 東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、現在に至る。2006年2月よりNIRA理事長。最新著書は『キーワードで読み解く経済』[2008]NTT出版。 木内登英(きうち たかひで) 1987年早稲田大学政治経済学部卒。同年野村総合研究所入社。90年野村総合研究所ドイツ、96年野村総合研究所アメリカ。2004年より野村證券金融経済研究所シニアエコノミスト、2007年7月より野村證券金融経済研究所チーフエコノミスト。 武者陵司(むしゃ りょうじ) 1973年大和証券株式会社入社。97年ドイツ証券に入社し、調査部長兼チーフストラテジストを務める。2005年5月より現職、現在に至る。近著に『新帝国主義論』[2007]東洋経済新報社。 水野和夫(みずの かずお) 1980年早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了。同年、八千代証券株式会社入社。国際証券金融市場調査部長などを経て、2005年より現職。著書に『資本主義2.0 宗教と経済が融合する時代』[2008]講談社ほか多数。 平井照水(ひらい てるみ) 津田塾大学卒業。スウェーデン・ウプサラ大学平和紛争学部ディプロマ取得。関心領域は、予防外交、人間の安全保障、国際関係等。主要著書(共著)として、『人間の安全保障の射程―アフリカにおける課題』[2006]アジア経済研究所、『アフガニスタン―再建と復興への挑戦』[2004]日本経済評論社、『NIRAチャレンジ・ブックス:グローバル化と人間の安全保障』[2001]日本経済評論社、『脱冷戦終結後世界の紛争』[1998]南窓社、『変容する日米安保政策コミュニティー 第2回読売論壇新人賞入選論文集』[1997]読売新聞社等。 ⓒ公益財団法人NIRA総合研究開発機構※本誌に関するご感想・ご意見をお寄せください。E-mail:info@nira.or.jp