伊藤元重
総合研究開発機構理事長

八代尚宏
国際基督教大学教授

河北博文
医療法人財団河北総合病院理事長

遠藤久夫
学習院大学教授

 政策レビューNo.21  2007.11

医療制度に大胆な改革を

概要

 高齢化の進展と医療技術の進歩で、国民の医療への需要はさらに高まっていく。医療は、今後の日本の最大の産業となる存在である。ただし、拡大する医療分野をすべて公的負担で維持することは不可能だ。必要最低限の医療を国民皆保険の制度で守りながら、他方で増え続ける医療需要に、市場メカニズムと利用者の自己負担をどう対応させていくかが、大きな政策課題となる。どのように医療改革を進めるべきか、議論する。

■問題提起
 医療制度に大胆な改革を
 伊藤元重 総合研究開発機構理事長

■視点・論点
 1.医療を健全なサービス産業へ
 八代尚宏 国際基督教大学教授

 2.医療を担う法人
 河北博文 医療法人財団河北総合病院理事長

■論点の背景
 わが国の医療政策の特徴と課題
 遠藤久夫 学習院大学教授

伊藤元重(いとう もとしげ)
東京大学経済学部卒。米国ロチェスター大学Ph.D.。専攻は国際経済学、流通論。1993年東京大学経済学部教授、96年同大学大学院経済学研究科教授、2007年同大学大学院経済学研究科研究科長(経済学部長)。06年2月よりNIRA理事長。著書に『日本の空を問う-なぜ世界から取り残されるのか』(共著)[2007]ほか多数。

八代尚宏(やしろ なおひろ)
国際基督教大学教養学部卒。上智大学教授・日本経済研究センター理事長等を経て、2005年9月より現職。労働経済学・日本経済論専攻。主な著書に『健全な市場社会への戦略』[2007]東洋経済新報社等。

河北博文(かわきた ひろぶみ)
慶應義塾大学医学部卒業・大学院博士課程修了、シカゴ大学大学院GSB修了。医療法人財団河北総合病院理事長。現兼職として(財)日本医療機能評価機構理事、東京都病院協会会長、東京大学、京都大学、慶應義塾大学・大学院講師

遠藤久夫(えんどう ひさお)
一橋大学大学院博士課程単位取得退学。専攻は医療経済学、医療政策。1997年学習院大学教授、現在に至る。中央社会保険医療協議会公益委員。医療経済に関する論文多数。最近の著書(共編著)『医療保険・診療報酬制度』[2005]、『医療経済学の基礎理論と論点』[2006]いずれも勁草書房。

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