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RESEARCH研究テーマ

日本経済と持続可能な成長

少子高齢化の水準や政府債務の規模において、日本は「課題先進国」だ。課題「解決」先進国へ転じ、持続可能な経済社会を実現すべく、課題解決の必要性やスピード感の認識を共有し、リスクを顕在化させないための政策運営を研究する。

高齢者の医療費負担増を人びとはどう受け止めているか

2021年の法律改正で、後期高齢者医療費の自己負担割合の引き上げが決定した。これに対する人びとの意見を、熟慮や熟議を通じて観測する中で、賛成・反対両派の認識に共通点が見つかった。医療制度の持続可能性に対する懸念、医療費の無駄の削減といった効率性への認識、そして医療費の負担割合を「年齢」で区切ることへの不満である。負担分配に関する国民の合意形成のための手がかりとして、議論すべきアジェンダを示す。

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後期高齢者医療をめぐる熟慮・熟議型調査

日本が直面する課題について解決策を探るためには、政策に関心を持つ人々の意見を集約し、それを踏まえた政策ビジョンを構築することが必要だ。今回の調査では、後期高齢者を対象とした医療費の窓口負担割合の引き上げに対する賛否に注目した。賛成・反対派ともに、個人の負担能力に応じた負担をする「応能負担」が多く支持されていることが判明した。また、専門家の論考を読み、熟議や熟慮によって人々の考えがどのように変化するかを検証した。

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人口減少社会に挑む市町村長の実像と求められるリーダーシップ (第2部)

超高齢化や人口減少など、様々な要因がまちづくりのあり方に政策転換を迫る中、地域の改革を成功させるキーマンは市町村長だ。第2部では、政策転換に成功して先駆的な成果を上げた市町村長のアンケート結果、インタビューをまとめた。平均的な市町村長と比べると、先駆的な市町村長はリスクを厭わないタイプが多い。この差は、リーダーシップ発揮のスタイルに表れており、自身の考えを言葉で伝えて相手を説得する、鼓舞的な要素が強いことが分かった。

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人口減少社会に挑む市町村長の実像と求められるリーダーシップ (第1部)

超高齢化や人口減少など、様々な要因がまちづくりのあり方に政策転換を迫る中、地域の改革を成功させるキーマンは市町村長だ。第1部では、全国の市町村長に行ったアンケートを基に、平均的な市町村長像を描き出した。大半の市町村長が「子育て支援策の充実」を重視しており、人口減少に抗する政策には自身の政治判断を強調する傾向にある。また、一般人よりもリスクを厭わないパーソナリティであることが判明したが、現場では必ずしも生かされていない。

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フリーワーカーの時代に備えよ

会社に行かなくてもリモートワークで仕事ができようになり、インターネット上のプラットフォームで仕事を請け負うギグワーカーなども含めて、フリーワーカーが増えている。しかし、現行の労働法制・保険制度は終身雇用を前提としており、雇用者ではないフリーワーカーはコロナ禍でも契約、所得減少のリスクに直面した。プラットフォームを含めた契約の適正化、所得リスクへの対処、経済的自立などについて、法制面から精緻に課題を提示する。

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「フリーワーカー」時代における社会保障制度の課題

フリーワーカーと雇用される労働者との間にある社会保障制度上の処遇差について検討した。注目されるのはフリーワーカーに非就労時の所得保障が整備されていない点だ。ただし、雇用されていても短時間労働者は被用者保険制度から漏れてフリーワーカーと同等の扱いであり、まずは雇用される労働者間での処遇差の是非を検討する必要がある。また、フリーワーカーは就労実態や所得の補足が難しく、所得保障給付を提供する上で課題として残る。

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フリーワーカーに対する環境整備が必要

多様化するフリーワーカーの中には、クラウドワーカーのように実質的には雇用された労働者と同じ働き方でありながら、労働法で保護されない人がいる。経済理論からは、雇用の短期化がフリーワーカーをより深刻な状況に陥れる可能性も示された。しかし、フリーワーカーに雇用労働者と同じ制度を適用すると、自由な裁量を利用して過剰に保護を受けるモラルハザードの懸念が生じる。フリーワーカーの団体交渉も視野に入れたルール作りを考える必要がある。

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認知症の人が自分らしく生きる社会に

高齢化の進展に伴い、認知症の人が増加している。認知症になっても1人の人間として尊重され、その人がその人らしく暮らし続けられる社会でありたい。2025年には、団塊の世代すべてが後期高齢者の年齢に達する。早急の取り組みが必要だ。いまの社会に、その準備は整っているだろうか。急増する認知症の人と共に生きていくために、どのような整備が必要か、専門家に問う。

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整合性のある政策論議を

現在、日本は低成長と人口減少という新たなフェーズへゆるやかに移行している。この転換期を乗り越えるためには、整合性のある政策が必要だ。しかし、政府が公表している経済財政試算は期間や前提が体系化されておらず、一貫性があるとは言い難い。そこでNIRA総研は、政府の経済前提を用いて、将来の財政状況を試算した。その結果、政府の債務残高は上昇を続け、今の政策では、財政の持続可能性は十分に確保されていないことが明らかとなった。

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医療保険者による病気予防・健康づくりの実態

生活習慣病の予防を目的として行う特定健康診査・特定保健指導の保険者別の実施率が初めて公表された。特定健診は国保の実施率の方が健保より低く、また被扶養者の実施率が低いなど保険者間のばらつきが浮き彫りになった。個々の保険者の意識向上が課題だ。国民全体の健康増進を図るためには、保険者の予防への取り組みに対するインセンティブ付与や予防医療を担う保健師等の専門人材の配置など、保険者機能が一層発揮される工夫が望まれる。

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