2024.03.14研究活動 翁百合の論考「子育て支援 社会保険料カギ」が『読売新聞』「WATCHERS 専門家の経済講座」欄に掲載されました。オピニオンペーパーNo.65「子育て世帯の負担と給付の公正性は確保されているか―被雇用者世帯の所得と負担率の国際比較分析」の内容が紹介されています。
2024.03.07研究活動 研究報告書「アジアの「民主主義」第4章フィリピン―グローバル化とフィリピンの政治変動―」を掲載しました。フィリピン政治における新自由主義的な包摂と排除の選別について確認しています。
2024.02.29研究活動 鈴木壮介の見解が『日本経済新聞』に掲載されました。出生数の急減に対する対策として、教育格差を是正するための公費支援や、テレワークの推進を通じて女性に対する家事・育児の偏重を是正することなどが指摘されています。
2024.02.20研究活動 研究報告書「AIは民主主義を深化させるか?―少子化政策の財源に関する調査実験―」を掲載しました。熟議民主主義にAIを活用できる可能性を、少子化政策の財源問題をテーマにした熟慮型調査を通じて検討しています。
2024.02.07研究活動 研究報告書「アジアの「民主主義」第3章パキスタン―ポピュリスト政党後の政党連合政権、軍部の影響力―」を掲載しました。パキスタンのポピュリスト政党失脚後の政治と社会の行方を検討しています。
2024.01.31研究活動 研究報告書「第10回テレワークに関する就業者実態調査(速報)」を掲載しました。足元のテレワーク率、テレワークによる仕事効率、生成AIの利用状況、メンタルヘルスの推移、物価高への対応に対する意識を確認しています。
2024.03.28No.76 人口減少下の日本経済と財政の長期展望 人口減少下における今後の日本経済・政府財政を展望し、財政が抱えるべきリスクと挑戦すべき課題について考察した。日本の財政は、このまま何もしなければ発散することは明らかであり、世論はともすれば悲観に傾きがちである。しかし、穏やかな金利環境を期待できれば、現在の財政の置かれた状況に対して、現実的な負担で対処していくことは十分可能である。全世代で均等に負担すれば、2060年度での現役世代の負担増は収入の3%台であり、財政は維持可能であることが明らかとなった。 楡井誠 宇南山卓 片桐満 小枝淳子
2024.01.04No.75 大きく進捗したキャッシュレス決済 コロナ禍を経て、日本のキャッシュレス化が大きく進んだ。5年前の調査では、約5割だった決済額比率が、今や7割を超えている。その背景にあるのが、QRコードなどのコード決済等が、どの年齢層・所得層でも、そして全国に万遍なく普及したことだ。特に、若者層にコード決済等が広まった。また、課題だった低所得層にもクレジットカード決済が浸透し、低所得層のキャッシュレス化の遅れは解消されつつある。 翁百合
2023.12.06No.74 政治不信は民主主義をどう変えるのか 日本では自由と平等では自由を選択する人が多い。自己と他者が等しく一定の社会規範を遵守することを前提にした自由であり、政府の公正さへの関心が強い。特に、社会的・経済的に不安定な立場にある人は政府への信頼が低く、直接的な強いリーダーシップを望む。このような政府への不信は、ポピュリズムの温床になり得る。人々にレファレンスポイントとなる情報を多く提供・発信し、日本の状況を相対化してゆくことが求められる。 宇野重規 重田園江 渡辺靖
2024.03.07 アジアの「民主主義」第4章フィリピン 1946年の独立以降、フィリピンではエリートの支配と利益に利用される「エリート民主主義」が定着し、長年不平等を持続させてきた。それゆえ、自由と解放を希求する人びとが、既存のシステムの打破を訴える強権的なリーダーに惹かれるネジレがある。彼らを擁護する指導者としてドゥテルテやマルコスJrが圧倒的な支持を得たが、実際には個人の自由や人権を侵害する「非自由民主主義」を生じさせている。新自由主義的な包摂と排除の選別が動くフィリピンの政治と社会を探る。 日下渉
2024.02.20 AIは民主主義を深化させるか? 熟議民主主義にAIは活用できるのか。少子化政策の財源をテーマにした熟慮型調査から、AIが提示した意見は人間の識者が提示した意見と同じような影響を人々の考え方に与えたこと、AIが提示する論点は自己を中心に考えがちな人間が提示する論点よりも多様な視点に立っていることなどが明らかになった。熟慮のための意見の提示や論点の設定という、これまで人間が担ってきた役割をAIが代替する可能性が示唆された。 谷口将紀 鈴木壮介 竹中勇貴
2024.02.07 アジアの「民主主義」第3章パキスタン イスラーム世界で2番目の人口規模のパキスタンは、近年ヒンドゥー至上主義を標榜するインドとの対立が深化し続ける一方、2010年代以降は対中国依存度が増加し、対外政策に変化が現れている。国内政治では、反汚職を掲げ、国民から圧倒的支持を得たイムラーン・ハーンが、軍部との関係悪化と他政党との対立により首相の座を追われる。国民の声よりも既得権益を優先する政治家が多いパキスタンで、ポピュリスト政党失脚後の政治と社会の行方を検討する。 松田和憲
2024.02.09No.70 気候市民会議は社会を動かせるか 2023年は世界各地で異常高温が発生。国連のグテーレス事務総長は改めて危機感を露わにして、各国の地球温暖化対策の遅れを非難した。既存の政治システムが有効な策を講じられずにいる中、市民参加による新しい取り組み、気候市民会議が日本でも広がりを見せ、社会を動かすことが期待されている。気候市民会議はどのような意義があるのか。日本で実効性ある取り組みにするには、何が必要か。本テーマに詳しい研究者や環境団体、自治体の長に聞いた。 宇野重規 三上直之 江守正多 岩崎茜 平田仁子 五十嵐立青
2024.01.18 日本と世界の課題2024【氏名順】 日本、そして世界は、転換の時代を迎えている。国際情勢が混迷を深める中、2024年は米国大統領選挙ほか、多くの国が重要な政治日程を迎える。日本に目を向ければ、少子高齢社会の中での財政再建、ジェンダー平等の実現、脱炭素社会への転換、対外政策など、これからのグランドデザインが問われる正念場にいる。NIRA総研では、これまで『わたしの構想』誌に登壇いただいた方々やNIRAのプロジェクトに協力いただいた方々、総勢136名の専門家に、ご自身のテーマからみた日本と世界の課題や展望を寄稿してもらった。 NIRA総研
2023.12.26No.69 国内投資の拡大は本格化するのか 民間企業の国内設備投資は、長期にわたり伸び悩んできたが、ここにきて基調に変化がみられる。果たして、企業の姿勢は変わったのか、また、持続的な賃上げにつながるのかなどの疑問がわく。国内の民間設備投資の実態をどうみるべきか。国内投資を妨げてきた要因があるとすれば、それに対処するための政策は何か。企業や各分野の投資動向に詳しい識者に聞いた。 柳川範之 宮永径 滝澤美帆 窪田朋一郎 貞森恵祐 黒田忠広
2023.10.31NIRAワーキングペーパーNo.6 技術革新と政策需要との関連性 技術革新はどのような政策需要と関連するのか。NIRA基本調査によれば、技術革新による失業不安を有する人は46%、就業期待を有する人は30%だった。また前者は所得再分配や雇用支援、生活支援を支持し、平等社会を望み、ポピュリスト態度が強い傾向がみられ、後者の人々は雇用支援を支持し、競争社会を望み、学習や転職に積極的で、政府不信や投票棄権意思は弱い傾向があった。こうした政策需要に適切に対応し、政治的分断を回避することが重要だ。 井上敦
2022.06.07NIRAワーキングペーパーNo.5 社会調査における投票率のバイアス インターネット上で回答を行うインターネット調査の登場は、その利便さによって社会調査のスタンダードな方法を変えつつある。本稿では、社会調査における投票率を取り上げ、インターネット調査において測定するときにどのようなバイアスが考えられるのかを考察し、インターネット調査データを用いて、各種の補正を試みた。結果、インターネット調査で計測した投票率は、社会的望ましさバイアスによって大きく歪められていることが分かった。 谷口将紀 大森翔子
2022.04.26NIRAワーキングペーパーNo.4 財政赤字と国債発行をめぐる熟慮・熟議型調査 経済・社会に関するテーマについての調査のうち、本稿では「財政赤字と国債発行」に関して報告する。調査の結果、政府債務に対し危機意識を持っている人は少なくないが、それは反対の立場の意見を読むことにより揺らぎやすいものであることが分かった。また、財政赤字を心配していない人と危機的と感じている人では、専門家の論考のうち参考とする論点が異なっていた。さらに自由記述回答から、専門家の論考が人々の考えに影響を与えていることが分かった。 川本茉莉
2022.08.02vol.4 コロナ禍におけるテレワークと人流の変化 コロナ対策の一環で普及したテレワークは、感染対策の面でどのような変化をもたらしたのか。「就業者実態調査」と人流のデータを利用して、第1回緊急事態宣言時における東京圏でのテレワーク利用率と人流の変化を分析した結果、テレワーク利用が進んだオフィスエリアで平日昼間の顕著な人流の減少を確認した。人流抑制策による感染抑制の効果や経済社会への影響について、さらなる検証が期待される。 関島梢恵
2021.12.27vol.3 インターネット調査における省力回答者に関する一考察 インターネット調査の問題点の1つに、調査回答の労力を最小限化しようとよく考えずに回答する「サティスファイサー」(省力回答者)の存在が指摘されている。本稿ではこのサティスファイサーについて、インターネット調査データの分析を通じて考察した。サティスファイサーは調査会社によるモニターの管理がなされてもなお、ある程度存在し、分析結果を歪める恐れがある。調査ではサティスファイサーを検出する質問を投入し、慎重にデータを検討することが重要だ。 大森翔子
2020.04.24vol.2 「フリーワーカー」時代における社会保障制度の課題 フリーワーカーと雇用される労働者との間にある社会保障制度上の処遇差について検討した。注目されるのはフリーワーカーに非就労時の所得保障が整備されていない点だ。ただし、雇用されていても短時間労働者は被用者保険制度から漏れてフリーワーカーと同等の扱いであり、まずは雇用される労働者間での処遇差の是非を検討する必要がある。また、フリーワーカーは就労実態や所得の補足が難しく、所得保障給付を提供する上で課題として残る。 中益陽子
2024.02.28 NIRA総研が個票データを提供している社会調査一覧 NIRA総研では、これまでに実施した社会調査を研究、分析に利用してもらうことを目的に、個票データをウェブ上で公開している。多くの人がデータに基づく分析を行うことにより、多様な新しい知見を創出することが可能となる。民間人、実務家、研究者、そして学生など、多様な方々による知の創出を期待する。無料でダウンロード可能である。 NIRA総研
2022.10.25NT22-01~02 コロナ禍におけるテレワークと人流の変化に関するデータ コロナ対策としてテレワークが推奨された中、実際に、人の移動はどのように変わっていたのか。人流オープンデータによると、第1回緊急事態宣言時において、東京の中心部で平日昼間の人流が大きく減少していた。テレワークとの関連については、テレワーク利用が増えた東京圏のオフィスエリアで人の流入が減少し、郊外では増加していたことがわかった。 NIRA総研
2022.09.28MV22-02~04 日本と世界の食料安全保障に関するデータ 日本と世界の食料供給はどのような課題に直面しているのか。食料安全保障のため、日本は何をすべきか。「日本国民の1人1日当たり供給カロリーを構成する品目と自給率」「世界の食料価格指数の推移」「世界の飢餓人口の割合」のグラフを紹介する。 NIRA総研
2023.10.27No.3 いかに少子化社会から脱却するか 少子化が急速に進む日本で、政府は様々な少子化対策を講じてきた。しかし、あまり出生率が上昇していないことから、少子化対策は無駄ではないかとの声もある。このまま少子化が進めば、国内市場の縮小や社会保障制度の危機など、さまざまな弊害が発生することも考えられる。そこで本稿では、少子化の現状、これまでの少子化対策と岸田文雄政権が打ち出した少子化対策を概観し、財源の問題や残された課題についても整理した。 鈴木壮介 前田裕之
2023.03.23No.2 年金の基礎知識と制度改革の論点 少子高齢化によって、年金を負担する現役世代は減少し、年金を受け取る高齢者は増加する。国民の間には、年金制度は今後も持続可能なのか、自分はどれだけ年金を受け取れるのか、といった不安が広がっている。本稿では、このような公的年金を巡る持続可能性、低年金、公平性といった論点について、様々な立場の意見をまとめた。その他、年金の基礎知識と2025年の制度改革に向けた議論も盛り込んでいる。 鈴木壮介 前田裕之
2022.10.25No.1 日本の財政に関する専門家たちの意見 専門家に聞きたいことについてアンケートを取ってみると、日本の財政を巡る質問を聞きたいとの声が多く上がってきた。毎年の財政収支を黒字にすべきか、積みあがった債務残高を削減すべきか、政策の優先課題は何か、債券市場の現状と先行きをどうみるか―などである。しかしこれらの論点について、大学やシンクタンクの研究者ら専門家の意見は分かれているのが現状だ。本稿では財政への懸念の度合いに応じた3つの立場から各質問に回答していく。 鈴木壮介 前田裕之
2024.03.14日本経済と持続可能な成長 翁百合の論考「子育て支援 社会保険料カギ」が『読売新聞』「WATCHERS 専門家の経済講座」欄に掲載されました。オピニオンペーパーNo.65「子育て世帯の負担と給付の公正性は確保されているか―被雇用者世帯の所得と負担率の国際比較分析」の内容が紹介されています。