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NIRAオピニオンペーパー

スウェーデンはなぜロックダウンしなかったのか―憲法の規定や国民性も背景―

NIRAオピニオンペーパーNo.52 2020/07発行
翁百合(NIRA総合研究開発機構理事/日本総合研究所理事長)、ペールエリック・ヘーグべリ(駐日スウェーデン王国特命全権大使)、宮川絢子(カロリンスカ大学病院外科医)

 スウェーデンは、強制的なロックダウン政策を採用せず、国民の自主性に任せる緩やかなコロナ感染症対策を採用している。こうした政策を採用した背景には、ロックダウン政策は、短期的に効果はあっても再び感染拡大を招くため、国民が長期に耐えられる政策を採用すべきとの専門家の判断がある。同時に、憲法で、中央政府は、国民の移動を禁止できない、地方自治体の自治を尊重する、公衆衛生庁といった専門家集団である公的機関の判断を尊重することが規定されていることに注目すべきである。この強制をしない政策に対して、海外からは批判も多く聞かれるが、国民の評価は比較的高い。歴史的に政府への国民の信頼は培われてきており、また科学的エビデンスに基づく政策決定であることを理解して、国民はこれに協力している。また、自らの行動を自ら決めることを尊重する国民性も支持の背景として指摘できる。
 有効な手立てを講じて国民の健康を守るためには、各国で実施される政策について知見を増やし、参考にすることも有益と思われる。その際、その国の文化、歴史的背景、社会的資本、法制度や医療制度など多面的に研究したうえで、わが国にとって最善の在り方を検討、模索していく必要がある。

Part 1:翁百合 NIRA総研 理事/日本総合研究所 理事長
「スウェーデンはなぜロックダウンしなかったのか―憲法の規定や国民性も背景―」
〇はじめに
〇スウェーデンのコロナ対応へのさまざまな見方:日本と共通する面もある対応
〇死者の多さは介護制度の構造問題も
〇ロックダウンを採用しなかった憲法上の規定
〇他国とは異なる独自の政策を継続している理由:①専門家の意見を尊重する枠組み
〇他国とは異なる独自の政策を継続している理由:②政府への国民の信頼と自主性の尊重が基礎
〇コロナ対応への多面的研究の必要性

Part 2:ペールエリック・ヘーグべリ 駐日スウェーデン王国 特命全権大使
“Pandemic Responses rooted in Trust”
「国民の信頼に支えられるスウェーデンの感染症対策」(仮訳)

Part 3:宮川絢子 カロリンスカ大学病院 外科医
「現地在住医師の目からみたスウェーデンの新型コロナ対策」

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