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対談シリーズ第67回 | 2011/12発行 | |
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吉川 洋(東京大学大学院経済学研究科教授)、伊藤元重(NIRA理事長) |
「社会保障と税の一体改革」
伊藤 今回は「社会保障と税の一体改革」について、お話を伺いたいと思います。政府・ 与党においても年末から年始にかけて、この議論をかなり集中的に行うことが見込まれます。 吉川さんは以前から総理主催の有識者会議や審議会などでこの問題に主導的な役割を果たしてこられたわけですが、まず、今この時点で、 なぜ社会保障と税の改革を、しかも「一体改革」という意味で行わなければならないか、ということについてお聞きしたい。
吉川 社会保障について言えば、いわゆる格差や貧困の拡大などが問題になってきており、 それが現在の日本の閉塞感とも関係していると思う。これを何とかしなくてはいけないというのが大きな問題意識としてある。 それからもう一つは、この問題は、実は財政悪化の問題と同じコインの裏表である。つまり、社会保障給付の増加というのが、 日本の財政悪化の根っこにある要因になっているということですね。 <続く>
対談のポイント
《関連頁》
「先送り許されぬ社会保障・
税の一体改革」(NIRA政策レビューNo.55/2012年1月)
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