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対談シリーズ第61回 | 2011/03発行 | |
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末廣昭(東京大学社会科学研究所所長)、伊藤元重(NIRA理事長) |
伊藤 いま、世界経済において、急成長を遂げるアジアが注目を集めていますが、
今日はタイをはじめとするアジアの現状をよくご存知の末廣先生にお話を伺います。いま、アジアで何が起きているのか、
どういった課題を抱えているのか、そして日本に何が期待されているのか、アジアの視点から改めて考えてみたいと思います。その上で、
日本はアジアとどのような関係を構築していくべきかについても、議論を進めていきたいと思います。末廣さんは、アジア、
特に東アジアのいまの動きをどのようにみていますか。
視点1 製造業で圧倒的な地位を占めるアジア
末廣 私は、インドを加えた東アジア1の動きを、
大きく4つの視点から考えています。
第1に、「世界の成長軸」としてのアジアです。貿易のみならず、名目GDPの伸び率が何%という言い方で注目されていますが、まず、
主要な製造業で中国を含めたアジアが圧倒的な地位を占めているという事実を確認することが大切です。<続く>
議論のポイント
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