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対談シリーズ

「何のために」が問われる日本の情報基盤

対談シリーズ第52回 2009/12発行
村井純(慶應義塾大学環境情報学部長 教授 兼 政策・メディア研究科委員)、伊藤元重(NIRA理事長)

社会インフラとしてのネットワークで何を共有するのか

伊藤 私は森内閣のIT戦略会議で初めて村井先生とご一緒させていただきました。 その時のことで非常に印象に残っていることは、まだ日本ではブロードバンドがほとんど普及していない当時、 5年で3,000万世帯につなげると村井先生が言われたことです。すごく大きな話をしていると思いましたが、 実際にそのとおりになりましたね。

村井 あの話はさらに前倒しされ、10Mbps で3,000円と、価格まで具体的に決めて、 インターネットが広がるようにという目標を立てました。そのような目標の立て方はリスクが大きく、政策としては普通ではありませんので、 役所からも通信事業者からも「無理です」と言われました。結局、その目標は2年で達成され、5年もかかりませんでした。<続く


議論のポイント

  • 「IT」という道具は、すべてのものを数字で扱えるツールである。これによって知識から芸術に至るまで、 あらゆる分野の異なる物事を情報基盤という同じ社会インフラで共有することが可能となった。

  • クラウド・コンピューティングの出現は、企業経営や行政の真の能力が問われる厳しい時代の幕開けである。これまでは、ITに 「何が出来るか」が追い求められてきた。これからは、われわれは「何をするのか」という「戦略」こそが先になければならない。

  • 情報テクノロジーを評価する物差しは「人」と「社会」にある。人間の本質としての創造性や知性を支えるという意味においては、 コンピュータの進化はこれからも決して止まることはない。

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