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研究報告書・出版物

どうすれば、日本企業がDX競争に勝てるのかーDXならびにポストコロナ時代に向けた 新経営戦略の実践―

NIRA研究報告書 2020/11発行

■概要
 本レポートは、1)デジタルものづくり、2)両利きの経営の実践、3)「社内のやり方」(企業カルチャー)の変革、4)求められる人事機能について考察した。

 ポストコロナの世界でDX(デジタルトランスフォーメーション、デジタル変革)の必要性が高まる中、製造のデジタル化のような大きなビジネスチャンスをものにするためには、新しい戦略が必要となる。新しい意味での「選択と集中」を行う手法の一つが「両利きの経営」であろう。両利きの経営はすでに多くの企業経営者に認知されているが、この戦略を実行するための手法はまだよく知られていない。

 本レポートでは、両利きの経営の実践に役立つ3つのツールを紹介する。1つ目は「適合モデル」(アラインメント・モデル)である。戦略の実行のためには、成果の鍵 (KSF) 、 人材 、人事システム、および「社内のやり方」(企業カルチャー)が緊密に適合している必要があり、適合モデルはその適合性を判定するために活用できる。2つ目は「DISCCモデル」である。これは「社内のやり方」の変化と捉え、変革を促す5段階のプログラムである。DISCCモデルを通じて、業務プロセス改革には人事改革も必要であることが明らかになるだろう。デジタル変革、働き方改革、直近のテレワークへの急激なシフトは、人事改革の好機でもある。3つ目は「9ボックス・グリッド」である。これは、評価と人材育成をリンクさせる一つの手法である。人材育成は従業員それぞれの目標に応じてカスタマイズされる。このような「社内のやり方」の変革と人事改革を組み合わせることで、両利きの経営を実現し、イノベーションを起こすことができるだろう。ひいてはDXが加速する時代の企業競争力強化につながるものと考える。

 昨今、全てのグローバルビジネスはDXとコロナ危機に直面している。ビジネスの不確実性は増す一方だが、経営改革と企業再生を加速する機会と捉えることもできる。本レポートでは、日本の大手企業の多くが競争優位にあることを示している。製造のデジタル化の事例を紹介し、その競争力を明らかにした。また、本レポートでは、大企業における人事部門の役割を、サポート部門から「社内のやり方」や戦略を変革する主体へと見直す時期であることも示唆している。

 両利きの経営という、一見矛盾する2つの戦略を実践し、同じ企業内で別々の「適合」(アラインメント)を行うには、新たなリーダーシップが必要である。本レポートでは、「社内のやり方」の変革を管理し、新時代のグローバル競争で勝つための方法について、いくつかの例とフレームワークを提供したい。

■目次
1. はじめに: 2つの衝撃 – デジタル変革とコロナ危機

2. デジタル変革への戦略転換
  1. デジタル変革の定義
  2. インダストリー 4.0: 生産自動化ピラミッドの崩壊
  3. 製造のデジタル化におけるグローバル競争

3. 戦略実践:両利きの経営と「適合モデル」
  1. 両利きの経営:事業の3つの「地平線」を一度に管理する
  2. 戦略の実行: 「KSF・人材・人事システム・やり方」 の適合モデル

4. 「社内のやり方」(企業カルチャー)変革のためのDISCCモデル
  1. 「企業カルチャー」とは?
  2. DISCCモデル: 「社内のやり方」変革のマネジメント
  3. 効率性・生産性向上に向けた職場行動の変革
  例:「イノベーション・ツーリズム」・ワークスペースリメーク・時間の価値

5. 人材マネジメント改革: 新しい人事機能に向けて
  1. 終身雇用の功罪
  2. 働き方改革
  3. 人事制度改革
  4. 例: 9ボックス・グリッド
  5. テレワークによってイノベーションを起こすための考え方

6. 結論: デジタル変革とリーダーシップ

■研究体制
ウリケ・シェーデ  カリフォルニア大学サンディエゴ校教授


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