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NIRAモノグラフシリーズ:わかる政策、知る課題

医療保険者による病気予防・健康づくりの実態―ばらつき目立つ保険者の取組―

NIRAモノグラフシリーズNo.41 2019/09発行
翁百合(NIRA総研理事/日本総合研究所理事長)、関島梢恵(NIRA総研研究コーディネーター・研究員)

■概要
 2019年3月に、厚生労働省が初めて公表したデータが2つある。1つは糖尿病など生活習慣病の予防を目的として行う特定健康診査・特定保健指導の保険者別の実施率であり、もう1つは後発医薬品の保険者別の使用割合だ。これまで国保や健保組合など保険者種別の実施率や国全体の数字は出ていたが、全保険者の実績が明らかになったのは初めてだ。
 保険者による健康増進や医療費適正化への取組は、超高齢社会で社会保障費が増大する中で、制度を維持するための活路の1つだ。個々の保険者の実績を「見える化」し、保険者に取組の推進を促さなければならない。本稿では、保険者の取組の現状をデータから整理・分析し、課題を提言する。
 明らかになったのは、保険者ごとのばらつきの大きさだ。国保の特定健診実施率が健保組合と比べて極めて低いなど保険者種間の差に加え、規模の大きい保険者ほど特定健診や保健指導の実施率が低いといった保険者の特徴による差も見られる。また、被用者保険の被扶養者の実施率が低く、保険者の中でも予防医療の取組が届いていない層がある。こうしたばらつきの要因の1つに、保険者の意識の違いがありそうだ。特定健診・保健指導の実施率が高い保険者の取組事例を調べていくと、実施率向上のための様々な工夫が見つかった。
 個々の保険者の意識を高め、保険者による取組のばらつきを是正し、国民全体の健康増進を図らなければならない。そのためには、保険者に対し適切な予防に取り組むインセンティブを付与するとともに、被扶養者へのアプローチや、予防医療を担う保健師等の専門人材の配置、健康診査内容や手法のPDCAなどを考える必要がある。保険者機能が一層発揮される工夫が望まれる。

■研究成果
   エグゼクティブサマリー(PDF)
   本文(全体版PDF)

■目次
はじめに
1.特定健康診査・特定保健指導
  1-1.全体像
  1-2.個別の保険者
2.後発医薬品
  2-1.全体像
  2-2.個別の保険者
3.提言

<関連研究>
予防医療の取組が日本の医療費、経済財政に与える効果分析

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