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NIRAモノグラフシリーズ:わかる政策、知る課題

マフィアたちの「東アジア共同体」?――越境犯罪に見る非伝統的安全保障の脅威

NIRAモノグラフシリーズNo.11 2008/03発行

本名純(立命館大学准教授)

東アジアは今、越境犯罪の脅威が急速に進行している。違法ドラッグの若年層への浸透、女性や子どもの人身売買の大規模化、 違法伐採による木材密輸の増加、海賊事件の多発化、武器密輸の拡大、さらにはサイバー犯罪やマネー・ロンダリングといった様々な犯罪に、 国境を越えた連携プレーの構築が顕著に見られるようになっている。それは密やかに、 しかし確実に国家の主権と市民社会の安全を脅かしつつある。
アジアのマフィアたちは、現在、地域経済の統合という大きな波に順応しつつ、かつてない規模のビジネス・チャンスを睨んでいる。 イデオロギーや政治体制、そして歴史のしがらみにとらわれない彼らのネットワーク化は、「裏社会の東アジア共同体」を彷彿させるものであり、 それは「表」の共同体構想より一歩も二歩も先を進んでいるのが現状であろう。その脅威にどう対処していけばよいのか。
日本は、この問題において積極的なリーダーシップを発揮すべきである。「越境犯罪との戦い」を通じて、 日本は東アジアの安全保障に大きく貢献するだけでなく、 新たな地域協力体制の構築に向けて決定的なイニシアティブを取ることが期待されている。

目次
1. 越境犯罪の拡大と安全保障観の変化
2. 越境犯罪の実態――分野別動向
(1) テロリズム
(2) 海賊(海洋犯罪)
(3) 人身売買――女性と子どもの密輸
(4) 違法伐採
(5) 武器密輸
(6) 違法ドラッグ
(7)サイバー犯罪
(8)資金洗浄
3. 求められる地域協力――能力格差の是正

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