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対談シリーズ

キャンパス・アジア 日中韓の学生交流が新時代の人材を育てる

対談シリーズ第60回 2011/02発行
ムン・ウシク(ソウル大学国際大学院教授)、伊藤元重(NIRA理事長)

「キャンパス・アジア」とは何か

伊藤 今後の東アジアの地域連携において、 国境を越えたグローバルな活動を担う新たな人材をいかに育成していくかが新たな課題となっていますが、そうした中で「キャンパス・アジア (CAMPUS Asia)」についての議論が、日中韓3カ国で開始されています。「キャンパス・アジア」とは、 簡単に言えば日中韓の学生が国境を越えて、各国の高等教育プログラムに参加することを可能にしようというプロジェクトです。本日は、 そのプロジェクトに韓国側の代表者の一人として深く関わっていらっしゃる、ムン先生にお越しいただきました。まずこのキャンパス・ アジアについて、簡単に説明していただけますか。

ムン 「キャンパス・アジア」は「エラスムス・ムンドゥス(Erasmus Mundus)」 という、欧州で行われている学生・研究者交流のプロジェクトの影響を受けて始められたプロジェクトです。欧州では、 高等教育の質を高めることを目的に、高等教育分野における教育機関の連携と、学生・研究者の交流を促進する計画が1987 年に発足し、 以来、長年にわたり、実施されてきました1。これがエラスムス計画です。さらに今日では、それを欧州以外の世界の学生に広げた「エラスムス・ ムンドゥス」計画も実施されるようになっているわけです。<続く


議論のポイント

●グローバルな人材育成の1つとして、日中韓3カ国の学生交流の推進を目的とする「キャンパス・アジア」についての議論が進んでいる。

●「キャンパス・アジア」は複数の大学の学位を同時に取得できるダブルディグリーやジョイントディグリーの導入など、 これまでにない特色を打ち出そうとしている。

●そのためには参加大学の教育の質を向上させ、レベルを保証していくことが不可欠である。

●「キャンパス・アジア」では共通語である英語も重要だが、むしろ各国が自国語で行うプログラムに力を注ぐ必要がある。 それによって日中韓の複数の国を同時に経験できるユニークな機会を創出していくべきである。

●「キャンパス・アジア」は日中韓の相互理解を深めるだけにとどまらず、最終的にはアジア以外の学生も組み入れ、 様々な文化を学び経験する場として大学を国際化していくことが期待される。


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